冬になると日照時間が短く、気温も低くなるので、青空が広がっていても、冬の洗濯物はなかなか乾きませんね。
曇りの日や雨の日、雪の日はさらに乾きません。
前日の天気予報でガッカリすることも多いです。
今日は太陽が出ているからとベランダに干していたのに、取り込んでもまだ湿っていることもあります。
お子さんの体操着が朝になっても間に合わなくて、ドライヤーやアイロンを使うこともあるのではないでしょうか。
ベランダがないこともあります。
浴室乾燥機もないこともあります。
コインランドリーも遠いと部屋干しするしかありません。
冬着は夏着よりも厚くなり、重ね着もするので、洗濯物はボリュームが大きいです。
今回は、冬の洗濯物を部屋干しで早く乾かしたいとき、どうすれば良いのかについてお話をまとめました。
どうぞご覧ください。
冬の部屋干しにエアコンを使うメリット
冬の部屋干しにエアコンを使うメリットは、部屋を暖かくしながら湿度も保てることです。
◎ 夜のうちに乾かしてしまえる
睡眠中の部屋をエアコンの暖房をつけっぱなしにしておくことで、夜のうちに洗濯物を乾かしてしまえます。
◎ 加湿器代わりになる
エアコンの暖房を使っている部屋に洗濯物を干すと、加湿器代わりになり、乾燥対策になります。
このような一石二鳥の効果は、上手に利用してしまいましょう。
冬に洗濯物がうまく乾かない理由
髪を乾かすときのドライヤーをイメージしてみてください。
「高い温度」と「強い風」で水分を蒸発させていますよね。
1時間以上かかることはありません。
「乾く」には、温度と風が必要なことは、なんとなく理解していると思います。
◎ 洗濯物が乾く「しくみ」には湿度も関係する?
衣類が含んでいる水分 ⇒ 空気中に移動(空気が水分を含む)
冬は「空気が乾燥している」ということは、その空気中には「水分」を含ませる「余裕」がありそうですよね?
でも、逆みたい!
「飽和水蒸気量」というのがポイントになります。
これは、「1立方メートルの空間に存在できる水蒸気の質量(g)」。
「気温が高い」と「飽和水蒸気量」が増えて、より多くの水分を空気中に含むことができるというのです。
気温の低い「冬」は「飽和水蒸気量」が減るので、空気中に水分を含むことができる「容量」が小さくなるということです。
まとめると、こんな感じ。
冬の洗濯物は暖房した部屋での部屋干しがおすすめ
冬の洗濯物は暖房した部屋で部屋干しをすれば、早く乾かすことができ、暖房費の節約につながります。
◎ 節約につながるのは「湿度」が上がると暖かく感じるから?
湿度が上がると暖かく感じるのは、科学的に証明されていることなのか、体感的なことなのか、そのあたりは不明です。
でも「湿度」が上がることによって、暖かく感じるのは実際の話しです。
感覚としては次のようなことです。
夏は曇りの日でも湿気があるから暑い。
夏は除湿することでより涼しくなり、冬は加湿することでより暖かくなる。
空気は水よりも温度を伝えにくい。
水分の多いほうが温度は伝わりやすい。
お風呂の高温は耐えられないのに、サウナの高温は耐えられる。
5度の室外で耐えられる時間より、5度の水中の時間のほうが短い。
ただし、寒い部屋で加湿だけしても暖かくはなりません。
暖かく感じられるのは「温度」があってこそ。
快適に過ごす場合の目安は、「室温を17度~22度」「湿度を40%~60%」です。
温度と湿度のバランスを取ることもできる点でも、冬の洗濯物は暖房した部屋での部屋干しはおすすめです。
洗濯物を乾かすにはエアコンのドライ?暖房?
エアコンのドライ機能の「しくみ」から、はじめに整理しておきましょう。
(1)室内の空気をエアコン本体内に取込みます。
(2)取込んだ空気を冷やすことで空気が凝結。
(3)除湿された空気が室内に放出されます。
「ドライ機能」や「除湿機能」にしたとき、出てくる空気は冷たく感じますよね。
「気体」から「液体」になった水は、屋外にホースを通して放出されます。
これを繰り返すことによって、部屋の湿度は下がっていくわけです。
ここでまた、飽和水蒸気量。
飽和水蒸気量(空気が含むことのできる水分の量)は、温度が高いほど多くの水分を含むことができる。
ということでしたよね。
室温が低いと、「空気が含むことのできる水分の量」は小さくなるので、洗濯物は乾きにくいということでした。
エアコン「ドライ機能」では、湿度は下がるけれど、室温が上がりません。
むずかしいのは湿度は「%」で表すので、「量」ではないのです。
「空気が含むことのできる水分の量」は小さいということは、少ない水分の量ですぐに限界がくるということです。
量は少ないのに、占拠する「%」は高くなるわけです。
寒い部屋では、少ない水分量でも湿度の「%」の数字は大きくなります。
これらの理由で考えると!
「暖房」で室温を高くして、サーキュレーターで風を洗濯物に当てたほうが良さそうです。
もう1度、整理しておきますね。
洗濯物が含んでいる水分 ⇒ 暖かい空気に含んでもらう!「%」では湿度のバランスがほどよくなる。
エアコンの除湿機能を使うと寒いときは?
「飽和水蒸気量」の話の通り、温度が低いと「空気中の水分量」が減ります。
冷房機能を使うと、空気中の水分量は少なくなっています。
除湿機能は、その逆です。
空気中の水分量は少なくなって、部屋の温度も下がります。
これは、ドライ機能のしくみでお伝えした通りです。
1.エアコンは湿度の高い空気を吸い込みます。
2.その空気を「熱交換器」によって温度を下げます。
3.空気の温度が下がると、「飽和水蒸気量」は少なくなります。
4.空気が抱えきれない水分(水蒸気)は液体になります。
5.その液体はホースを通して室外機から排出します。
6.「熱交換器」によって温度が下げられた空気は室内に戻されます。
というわけで、除湿機能を使うと寒くなるわけです。
湿度が基準になるので、湿度が下がるまでは冷たい空気は出てきます。
除湿運転で寒いときは、その寒い温度からプラス1度、プラス2度の温度の設定にすることができるそうです。
これは、高級なエアコンに限らないそうですよ。
実際には、体感的な個人差はあるので効果を感じにくい人場合もあると思います。
調べてみたところ、プラス2度までは調整できるようです。
それ以上になると、除湿機能が働かなくなってしまうのでしょうね。
「再熱除湿」機能搭載のエアコン!
再熱除湿という機能が搭載されているエアコンでは、冷やして除湿した空気と温かい空気を混ぜてから送風してくれます。
これなら、除湿で寒くなる心配は必要ないですね。
冬の部屋干しのコツ
冬の部屋干しで早く乾かすコツは、「室温を上げる」「湿度を下げる」を両立させることになります。
電気代を惜しまないなら、暖房器具と除湿機を同時に使うのがシンプルです。
「裏ワザや生活の知恵」には以下のような方法があります。
(1)洗濯物の干し方で早く乾かすコツ
「間隔を取って洗濯物を干す方法」や「斜め干しにする方法」、「長さの違う洗濯物を交互にして干す方法」などは、風通しを良くするところにポイントがあります。
エアコンの温風やサーキュレーターを使って、上手く効果をアップさせてください。
間隔を取って洗濯物を干す場合は、1回の洗濯物の量を少なくして、こまめに洗濯したほうがスムーズです。
斜め干しでは、「斜め干ししやすい便利ハンガー」と、洋服ハンガーラックを使う方法もありますよ。
(2)空気の循環
エアコン暖房とサーキュレーターを使って、1か所に湿気がたまらないように空気を循環させてください。
(3)新聞紙や除湿剤の活用
梅雨のシーズンの部屋干しで使われる方法には、洗濯物のすぐ下に新聞紙を広げておく裏ワザがあります。
新聞紙に湿気を吸い取ってもらって、洗濯物の乾きを早くする方法です。
同じ効果では、除湿剤をいくつか置く方法もあります。
(4)アイロンをかける
アイロンをかけられる程度に洗濯物が乾いてきたところで、アイロンをかけみてください。
そのあと、もう1度干せば乾く時間を短縮できます。
(5)脱水を2回する
脱水を2回するときは、2回目の脱水をする前に洗濯物を取り出してください。
固まった状態になっている洗濯物をほどいてから、2回目の脱水をしたほうが脱水の効率がアップします。
(6)消臭にすぐれている柔軟剤を使う
消臭にすぐれている柔軟剤は、速乾性もすぐれています。
脱水するときの水切れが良くなるので、柔軟剤の利用は部屋干しの時間短縮におすすです。
早く乾かすエアコンの使い方
冬の部屋干しでエアコンを使う場合は、温風を洗濯物に効率よく当たるようにすると、洗濯物を早く乾かすことができます。
便利グッズでは「エアコンハンガー」と「室内物干しワイヤーPid」が人気です。
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どちらも、エアコンの温風を直撃させるようにして洗濯物を干すことができます。
床置き型の部屋干しハンガーラックでも、エアコンの温風が当たる角度を調節することによって、洗濯物を早く乾かすことが可能です。
「飽和水蒸気量」のしくみを利用するなら、洗濯物が乾いていく途中で換気をして、エアコンの暖房を続けましょう。
新しい空気の温度をアップして、洗濯物の水分を含んでもらいやすくしてください。
部屋干しの臭いを防ぐ方法
部屋干しの悩みには臭いの問題もありますよね。
まずは、臭いの原因を整理していきます。
ひと言で説明すると、洗濯物に残った汚れと雑菌が原因です。
洗濯物がすぐに乾けば、雑菌が繁殖する時間はありません。
濡れたままの状態で長時間続くと、雑菌は繁殖してしまいます。
また、晴れている日にしっかりと太陽光に当てると、紫外線による殺菌で臭いがすることはありません。
部屋干しでは乾くまでに時間がかかり、太陽光に当てていないので、外に干す場合に比べると雑菌が繁殖しやすいです。
よく言われる「生乾き臭」あるいは「部屋干し臭」に悩まされることになります。
それでは、部屋干しの臭いの予防とついてしまった場合の対処についてお伝えしていきますね。
◎ 酸素系漂白剤で臭いを予防と対処
酸素系漂白剤は、漂白力だけではなく殺菌力も発揮します。
臭いを予防したい場合は、液体タイプよりも粉末タイプの酸素系漂白剤のほうが強力です。
ただし、粉末タイプの酸素系漂白剤は、水洗いできないものには使用できません。
毛や絹の衣類を洗う場合は、液体タイプの酸素系漂白剤を使用してください。
粉末の酸素系漂白剤の効果をアップしたいときは、ぬるま湯に溶かして、付け置きしてから洗濯機洗いをすると良いですよ。
◎ 重曹で予防と対処
はじめに洗濯機に40度ほどのお湯を溜めて、大さじ一杯程度の重曹を溶かします。
いつも使用している洗剤を足して、普段通りに洗濯すれば「部屋干し臭」予防と対処ができます。
この場合は、洗濯表示40(液体温度)以上のものだけにしてくださいね。
◎ 除菌防臭効果のある柔軟剤で予防と対処
洗濯物の臭いを柔軟剤で予防する場合は、除菌防臭効果が配合されているものを選びましょう。
◎「洗濯表示に60」とあったら!
臭いがついてしまった場合の対処には、「煮洗い」があります。
これは、「洗濯表示に60」とあれば可能です。
沸騰しない程度の「温度(50度くらい)」で鍋を使って煮沸します。
洗濯石鹸または重曹をよく溶かしてから、洗濯物を鍋に入れて5~10分ほど煮てください。
そのあと火を止めて30分ほど放置して、手で触れるぐらいに冷めたら、洗濯機ですすぎ洗いをすれば臭いは取れます。
部屋干し後は換気が必要?
冬に暖房器具を使って部屋干しをすると、臭いがこもる問題と窓に結露が発生する問題があります。
対策としては、換気をして湿気を外に排出したほうが良いでしょう。
1回の換気時間は、6畳~8畳の部屋なら5分程度で空気は入れ替わります。
窓を1か所だけ開けて換気をするときは、サーキュレーター(または扇風機)を使用してください。
湿気を含んだ空気は追い出す感じで、向きを考えて送風しましょう。
近くに換気扇がある場合は、換気扇を回す手もあります。
対局に窓が2か所ある場合は、両方の窓を開けて換気をしましょう。
まとめ
冬の洗濯物は乾きにくいということで、冬の部屋干しについて気になることを整理してみました。
1つでも参考になったものがあれば幸いです。
最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。
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